インフルエンザを予防の為、うがいや手洗いが推奨されているが、これって本当に効果はあるの?
「適切な湿度や温度を保ちなさい」って言われるけど、具体的にどれくらいなのよ?
そういったインフルエンザ予防のための情報を探している方の疑問を解消します。
インフルエンザ予防として うがいは効果なし?
ここ数年、インフルエンザ予防として、実はうがいは効果がないんじゃないか?と言われるようになりました。
厚生労働省の「インフルエンザQ&A」のインフルエンザ対策にもうがいは載っていませんし。
参照元 Q.9 :インフルエンザにかからないためにはどうすればよいですか?
インフルエンザ対策としてのうがいの効果について「科学的証拠はない」と言う医師もいます。
これは事実なのかと言うと、確かに科学的根拠はないんですよ。
「いやいや、緑茶うがいがインフル予防に良いって情報を聞いたことがあるよ」とおっしゃる方も居ると思います。
確かに伊藤園中央研究所や静岡県立大学薬学部の山田浩教授たちの共同研究で、「カテキンを含む緑茶成分にはインフルエンザの予防に効果がある」と実証されてます。
緑茶を使ったうがいをした人はしなかった人に比べ、インフルエンザにかかる率が低かったというものですね。
ただ、この実験において実証されたのは緑茶成分であるカテキンがインフルエンザ予防になるということであり、別にうがいじゃなくても緑茶を飲めば効果があるとも言われています。
ですので、「緑茶を使ったうがいには効果がある」ことには違いないけれど、うがいそのものの効果についての効果が実証されたとは言えないんです。
うがいについての、もう1つの有名な話「水うがい」でも同じことが言えます。
「水うがい」とは京都大学の川村孝教授らが発表したもので
というものです。
これを見ると、水でのうがいは何もしないより風邪になりにくいということが分かります。
ただしこれは風邪に関しての実証です。
インフルエンザ予防効果があるということではないんですよ。
ですからこれも、うがいがインフルエンザ予防に効果があるという根拠としては弱い。
こういった「うがい自体の効果に関するハッキリとした科学的根拠がない」ということに加え
という事から、うがいそのものの予防効果はないんじゃないか?と言われています。
ハッキリと「ない」とは言い切れないけど、「ある」という根拠もないので、うがいさえしておけばインフルエンザ予防になると思い込んでると、少々危険だと言えますね。
しないよりは良いけれど、手洗いや室内の湿度や温度を適切に保つというような予防法へ力を入れた方が良さそうです。
インフルエンザ予防の手洗いの効果と正しいやり方
インフルエンザ予防としての手洗いの効果
手洗いはインフルエンザの「接触感染」を防ぐ効果があります。
接触感染というのは、インフルエンザに感染した人がくしゃみや咳を手でおさえ、その手で触った所を、他の人が手で触りそのまま自分の口や鼻に触れることでウイルスが体内に入り感染することです。
例えば、インフルエンザに感染した人が、ウイルスが付いた手でドアノブ、手すり、電車の吊革、部屋のスイッチなどの共有部分に触れ、そこを別の人が触ることで感染していくといった状態です。
ですから、帰宅後・食事前だけでなく「不特定多数の人が触れるものに触った」後は、必ず手を洗うようにすることが大切です。
少し神経質なように思いますが、これくらいの頻繁な手洗いがインフルエンザ予防としては必要です。
正しい手洗いのやり方
ただ頻繁に洗えばインフルエンザが予防できるわけではありません。
正しいやり方で手を洗わないと予防効果は半減してしまいます。
例えば
- 水やお湯でサッと濡らして終わるだけ
- 手のひらだけ洗っている
- 熱いお湯でゴシゴシ洗う
- タオルを家族と共有している
こういう洗い方をしている人は手洗いの効果があまり出ません。
では、どうすれば良いのか。
まず、石鹸を使って時間をかけて洗い残しがないようしっかり洗うことを心がけて下さい。
手のひらだけでなく、手の甲や指の間もちゃんと洗って下さいね。
熱いお湯でゴシゴシ洗うと、皮脂の油分が奪われ手荒れしてしまいます。
荒れた皮膚は細菌が増殖しやすくなってしまうので、お湯で洗うならぬるま湯にして下さい。
そしてしっかりすすぎ終わったら、清潔なタオルで水気を拭き取ること。
家族で共有のタオルを使うと、湿ったタオルで増殖した細菌が再び手に付着するので止めて下さいね。
ここまでの流れをしっかりと守って「正しい手洗い」で手を洗って下さい。
これで本来のインフルエンザ予防効果が得られます。
インフルエンザ予防に最適な湿度と温度
インフルエンザ予防として部屋の湿度を適切に保って下さいね、とよく言われますよね。
ではその「適切な湿度」ってどのくらいか知ってますか?
答えは50~60%です。
この「湿度50~60%が最適な温度」とする根拠は1961年にG.J.Harperらによって発表されたsurvival test with for virusesという論文です。
参照元 survival test with for viruses
この実験結果をすごく簡単にまとめると
- 湿度が低すぎるとウイルスは活性化する
- 逆に60%以上になると、ダニやカビが繁殖する
- 湿度が高くても室温が低いとウイルスの生存率が高い
となっており、湿度50%という環境には、ウイルス・ダニ・カビなど人にとって良くないさまざまな物質を抑制する効果があることが分かります。
また温度を21~24度にして湿度を50%に保つと、6時間後のウイルス生存率は3~5%になるという結果も出ており、室内温度もこれくらいに保つのが最適のようです。
ただ室内温度24度というのは少し暑く感じてしまうので、20~22度くらいまでを保つくらいが快適に過ごせる範囲でしょう。
湿度50~60%、室温20~22度。
湿度と温度がこの範囲に収まるよう、加湿器や暖房器具を調整してインフルエンザ予防に役立てて下さい。
まとめ
予防効果が疑問視されるうがいにばかり頼るのではなく、予防効果が期待できる手洗いや湿度・温度を保つことにも力を入れ、しっかりとインフルエンザ予防をしていきましょう。
特に湿度と温度は、人間がコントロールできるものなので、きちんと調整していきましょう。
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